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司法書士業務、法律改正やエントラストからの
お知らせ等様々な情報を発信していきます。

マイナス金利導入と住宅ローンの借り入れ

銀行 平成28年1月29日の日本銀行の政策決定会合で導入が決まった、金融機関が日本銀行に預けるお金の一部に年-0・1%の金利をつける『マイナス金利』政策が、2月16日から適用開始しています。
 私たちの生活にも預金の金利引き下げや、銀行手数料の引き上げ等で影響を及ぼすと考えられており、既に一部の金融機関では預金金利の引き下げが発表されています。

 また、住宅ローンについても、既に借入金利の引き下げを発表している金融機関もあります。
 したがって、これから住宅の購入や新築を検討している方は、金利が引き下げられた住宅ローンを借りることができますので、マイナス金利政策の恩恵を受けることができます。

 一方、既に住宅ローンを利用して住宅の購入や新築をしている方も、住宅ローンを金利の高いものから安いものに借り替える「住宅ローンの借り換え」をすることによって、住宅ローン金利引き下げの恩恵を受けることができます。
 ただし、住宅ローンを借り替える場合は、登記費用や融資事務手数料等の諸経費がかかりますので、住宅ローンを借り替えた場合と借り替えない場合の総額を試算してみる必要があります。
 
 マイナス金利の導入による景気への影響はまだ不透明ですが、今後の動向が気になります。

司法書士/AFP(ファイナンシャルプランナー)  廣濱翔
 

 

平成28年1月29日の日本銀行の政策決定会合で導入が決まった、金融機関が日本銀行に預けるお金の一部に年-0・1%の金利をつける『マイナス金利』政策が、2月16日から適用開始しています。私たちの生活にも預金の金利引き下げや、銀行手数料の引き上

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相続が開始した場合の相続人の選択

 大切な人が亡くなってしまうと、葬儀、49日等で慌ただしく日にちが過ぎてしまいますが、法律上、3ヶ月以内に相続をするかしないかの選択を求められることになります。
 具体的には、相続が開始すると、相続人は相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内(以下、「熟慮期間」といいます)に「単純承認」、「限定承認」、「相続放棄」のいずれかを選択する必要があります。

○単純承認、限定承認、相続放棄の概要

内容

選択者

選択方法

単純承認

相続財産のすべてを相続する。

相続人単独(・・)

特に何らかの行為をする必要はなく、以下の場合は当然に単純承認をしたものとみなされます。

・選択前に相続財産の全部又は一部の処分

・熟慮期間の徒過

限定承認

プラスの財産の限度で負債を支払う。プラスの財産の残りがあれば相続する。

相続人全員(・・)

熟慮期間内に家庭裁判所に対して限定承認する旨の申述

相続放棄

相続しない。

相続人単独(・・)

熟慮期間内に家庭裁判所に対して相続放棄する旨の申述

※相続するプラスの財産はある程度あるが、負債がどれくらいあるか分からないので、単純承認となるのが不安という場合は、「限定承認」を選択するといいと思います。
※また、相続放棄を選択した場合は、相続放棄をした者は最初から相続人ではなかったものとみなされるため、次の順位の相続人に相続権が移ることになります。したがって、相続放棄をする場合は次順位の相続人に相続放棄をすることをお知らせしておくと次順位の相続人が余裕を持って相続をするかしないかを選択することができると思います。

○申述先
 限定承認又は相続放棄の申述は、被相続人(亡くなった人)の最後の住所地の家庭裁判所に行う必要があります。したがって、被相続人の最期の住所地が、例えば、熊本市、宇土市、宇城市、合志市、菊池市のうち旧泗水町、菊池郡大津町、菊池郡菊陽町、阿蘇郡西原村、上天草市のうち旧大矢野町であれば、熊本家庭裁判所に申述をする必要があります。

○熟慮期間の延長
 熟慮期間内に相続人が相続財産の状況を調査しても、単純承認、限定承認又は相続放棄のいずれをするかを決定できない場合には、家庭裁判所に申立てをすることにより、3か月の熟慮期間を伸長することができます。

 限定承認又は相続放棄の手続きは家庭裁判所の手続きになりますので、裁判所の書類作成を業務とする司法書士に相談できます。手続きの流れ等がご不明な点がございましたら、ご相談ください。

司法書士/AFP  廣濱翔

大切な人が亡くなってしまうと、葬儀、49日等で慌ただしく日にちが過ぎてしまいますが、法律上、3ヶ月以内に相続をするかしないかの選択を求められることになります。具体的には、相続が開始すると、相続人は相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月

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平成28年度に「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が創設される予定です

 平成28年度(2016年度)の税制改正大綱が平成27年12月24日に閣議決定されました。
 平成28年2月5日に、国会に法案が提出されています。
 毎年、今の時期は次年度の税制改正が予定されていますので、司法書士としても税制改正の動向が気になります。

放置された空き家

 今年度の税制改正の中で、最近、社会問題化している空き家の放置問題の対応策として、「 空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」の創設が予定されています。

 具体的には、一定の要件を満たす空き家の売却について、3,000万円の特別控除を行うというものです。相続により取得した空き家の売却について税制上優遇することにより、放置空き家の発生を抑制することが期待されます。

※財務省のホームページより引用

主な要件

○特例の対象となる不動産

 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された建物であって、相続開始の直前まで被相続人の自宅であり、被相続人は一人暮らしであったこと。

①耐震リフォームを行って売却した場合は、建物及びその敷地
②建物を解体して売却した場合は、建物解体後の敷地
※マンション等は適用除外です。

○特例の対象期間

 平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間の売却(但し、当該相続の時から当該相続開始日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に相続人が譲渡した場合に限る)
○譲渡対価の制限

 1億円以下であること

○その他
 相続の時から譲渡の時まで、使用履歴がなく空き家であること
※本記事作成時には、法案がまだ成立していないので、要件等が未確定であることにご注意ください。

その他の平成28年度の税制改正にご興味がある方は、とても長くて読む気がなくなりますが・・・こちらの「所得税法等の一部を改正する法律案」をご参照ください。

第190回国会における財務省関連法律

司法書士・AFP 廣濱翔

【平成28年4月1日追記】
 平成28年3月29日「所得税法等の一部を改正する法律案」が可決成立しました。平成28年4月1日より上記制度が施行されています。
 上記の、「 空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」を利用できる場面はとても限定されていますが、今後、より利用しやすいように制度が拡充されるかもしれません。

平成28年度(2016年度)の税制改正大綱が平成27年12月24日に閣議決定されました。平成28年2月5日に、国会に法案が提出されています。毎年、今の時期は次年度の税制改正が予定されていますので、司法書士としても税制改正の動向が気になります

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不動産(土地や建物)に関する遺言書を作成する場合の注意点②

 前回に引き続き、不動産(土地や建物)に関する遺言書を作成する場合の注意点を挙げていきます。

2 私道等持分の記載漏れチェック
 自宅の前面道路が私道でご近所の方と持分を持ち合っていることがたまにあります。他には、ゴミ捨て場や井戸等の土地を近隣者と共有で持っていることもあります。
 そういう場合は、自宅の土地と建物だけではなく、私道等に対する持分を忘れずに遺言書に記載しておく必要があります。遺言書に記載がなければ、自宅を相続した人が私道等の持分を取得するために他の相続人と話し合いをする必要が出てきます。
 私道等の有無については、自宅を購入した際の売買契約書、固定資産名寄せ帳、字図、地積測量図等で調査すると良いでしょう。
 不動産に対する持分の有無がよく分からなければ、司法書士等専門家にご相談ください。

3 「相続させる」と「遺贈する」の使い分け
 遺言書を書く場合においては、財産を「あげる」や「任せる」と書くことが想定されますが、できれば、「相続させる」又は「遺贈する」のどちらかの文言を使用したほうが遺言に基づく相続手続がスムーズに行えます。

 「相続させる」又は「遺贈する」の使い分けは、財産を譲り受ける方が相続人か相続人以外かで異なります。
 財産を譲り受ける方が相続人の場合→「相続させる」・「遺贈する」の両方が使えます。
 財産を譲り受ける方が相続人以外の場合→「遺贈する」のみ使えます。
※つまり、「相続させる」は相手が相続人の場合にしか使用できないということです。

 そして、特に不動産を相続人に渡したい場合は、「相続させる」の方を使います。理由は、不動産の名義変更を行う際、「相続」と「遺贈」では関与する人が異なるからです。

 「相続させる」→相続人が単独で所有権移転登記を行うことができる(他の相続人の協力不要)。
 「遺贈する」→受遺者(遺贈で財産をもらった人)と、相続人又は遺言執行者が共同で所有権移転登記をする。

不動産に関する遺言書を作成する場合は、ぜひ参考にされてください。

司法書士・AFP 廣濱 翔

前回に引き続き、不動産(土地や建物)に関する遺言書を作成する場合の注意点を挙げていきます。2私道等持分の記載漏れチェック自宅の前面道路が私道でご近所の方と持分を持ち合っていることがたまにあります。他には、ゴミ捨て場や井戸等の土地を近隣者と共

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