ブログ

司法書士業務、法律改正やエントラストからの
お知らせ等様々な情報を発信していきます。

司法書士のお仕事~会社のお客様編④~

 今回も、会社のお客様に対する司法書士のお仕事内容を紹介していきます。

3 店舗の建築に伴う不動産登記と本店移転登記

①不動産登記手続き
 会社の経営が軌道に乗った縁さんは、会社で土地を購入し、店舗を建築することになりました。また、土地購入資金と建物建築費用は銀行の融資を利用することにしました。

 不動産を購入したり、建物を新築した場合は、所有者であることを公示し、当事者以外の第三者に主張(対抗)するために法務局にて登記手続きが必要です。また、銀行の融資を受ける場合は、通常、不動産を担保として銀行に提供することが求められ、所有権と同様に銀行に担保として提供していることを公示し、当事者以外の第三者に主張(対抗)するために法務局にて登記手続きが必要です。
 司法書士は法務局の登記手続きを代理して行うことができ、登記の専門家である司法書士が手続きに関与することで不動産取引の安全を守ります。

 不動産の購入→所有権移転登記
 建物の新築→所有権保存登記
 銀行の融資に伴う担保提供→(根)抵当権設定

 なお、登記簿において建物の現況を示した部分を「表題部」といい、建物を新築した場合は、建物の現況をまず登記簿に記録する必要があります(建物表題登記)。建物表題登記は司法書士ではなく不動産の調査・測量の専門家である土地家屋調査士が行います。

②商業登記手続き
 縁さんは店舗の建築と同時に会社の本店を当該店舗に移転することにしました。会社の本店を移転した場合は、本店移転登記を2週間以内に行う必要があります。これも、登記の専門家である司法書士に依頼すれば、司法書士が必要な書類を作成し、法務局に代理して登記申請を行います。
 熊本県内から熊本県内への本店移転であれば、登録免許税(手続きに必要な実費)は3万円ですが、熊本県内から県外への本店移転であれば、登録免許税が6万円かかります。

※会社の登記事項が変更になった場合は、原則として、2週間以内に登記が必要なります。登記を怠ると、会社の代表者に過料が課せられますので、注意が必要です。

司法書士・AFP 廣濱翔

 

今回も、会社のお客様に対する司法書士のお仕事内容を紹介していきます。3店舗の建築に伴う不動産登記と本店移転登記①不動産登記手続き会社の経営が軌道に乗った縁さんは、会社で土地を購入し、店舗を建築することになりました。また、土地購入資金と建物建

このブログ記事をシェアする:

空き家対策としての信託の活用

【空き家問題】

最近、『空き家』の増加が社会問題となっているのをご存知ですか?平成25年度の総務省の統計によると、総住宅数の13.5%(820万戸)が空き家となっています。国も本格的に空き家対策に乗り出し、「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が平成27年5月26日に全面施行されています。
 空き家となる原因としては、住み替え、介護施設への入居、親の自宅を相続したが既に持ち家がある等が考えられます。

 空き家が放置されると、老朽化した空き家が倒壊するといった防災上の問題、空き家に不法滞在する等の防犯上の問題等が発生し、適正管理されていない空き家があることで周辺地域に多くの弊害をもたらしてしまいます。空き家が倒壊して他人に怪我をさせたりすると、建物の所有者に損害を賠償する責任が生じます。

【空き家予防としての信託の活用事例】 
 所有者が空き家を適正に管理できない場合に備える方法の一つとして、『信託』を利用する方法が考えられます。

 例えば、高齢者の親が身体の不自由のため老人ホームに入居するのに伴って自宅が空き家となるケースを取り上げます。
 将来、所有者である親が認知症により判断能力が衰えてしまうと、自宅の賃貸借契約や売買契約の締結を単独で行うことができなくなります。なお、判断能力の衰えに対応する制度として「成年後見制度」がありますが、信託と成年後見制度との違いは、 信託の概要 をご覧ください。

 高齢者の親(委託者)とその子ども(受託者)との間で、親の自宅を信託財産とする信託契約を締結します。受託者である子どもが自宅の所有者となるため、親に代わって子どもが自宅を賃貸することもできますし、必要に応じて自宅の売却をすることができます。
 ここで注意が必要なのは、家賃収入や売却などによって得た利益を委託者である親が取得するようにしなければ、贈与税の問題が発生する点です。
 また、子どもが信託目的に従って自宅を管理・処分をしているかを受益者の代わりに監督する信託監督人を置くこともできます。

司法書士/AFP  廣濱 翔

【空き家問題】最近、『空き家』の増加が社会問題となっているのをご存知ですか?平成25年度の総務省の統計によると、総住宅数の13.5%(820万戸)が空き家となっています。国も本格的に空き家対策に乗り出し、「空き家等対策の推進に関する特別措置

このブログ記事をシェアする:

家族信託の具体的な活用事例(賃貸アパートオーナーの場合)

 

 前回は、 家族信託の概要 について触れました。今回は、家族信託の具体的な活用事例について説明します。

【意思能力と成年後見制度】
 そもそも法律行為をするためには、意思能力(法律行為をするため、人が有効に意思表示をする能力が必要となります。重い認知症や精神障がい等により、意思能力が不十分な場合は、有効な法律行為ができなくなります。例えば、賃貸アパートの経営のオーナーが重い認知症にかかてしまった場合、新規の賃貸契約や、アパート修繕のための銀行融資を受ける契約等ができなくなってしまいます。
 この場合、一般的には「成年後見制度」を利用し、後見人が賃貸アパートを含めた財産の管理をすることになります。裁判所で選任された後見人の場合、積極的な資産運用をすることができないため、賃貸アパートの経営について必要な契約について 慎重にならざるを得ません。


【家族信託の具体的な活用事例】
 『家族信託』を利用する場合、オーナーが元気な
うちに、ある程度予想できる状況に対して要望を反映できるように、信託契約に賃貸アパートの管理・処分方法(受託者にお願いすること)を盛り込み、信頼できる家族に受託者になってもらいます。
  信託契約により、オーナーが認知症になったとしても、受託者に賃貸アパートの所有権を移転するため、受託者の意思で管理・処分を行うことができます。そのため、受託者は信託目的のために必要であれば、リフォームやアパートの建替え等のために融資を受けることができます。


 賃貸アパートの経営による賃料収入の受取人(受益者)は、オーナー以外の家族等にすることができますが、贈与税に注意する必要があります。
 オーナーが受益者となる場合は、自益信託(委託者=受益者)というものに該当し、信託設定による課税はありません。

 不動産を信託する場合は、法務局における所有権移転登記と信託登記が必要となります。司法書士は不動産登記の専門家ですので、ご相談ください。

熊本市東区 司法書士法人エントラスト 家族信託のページ
※信託のメリット・デメリットを記載しています。

司法書士/AFP  廣濱 翔

 前回は、家族信託の概要について触れました。今回は、家族信託の具体的な活用事例について説明します。【意思能力と成年後見制度】そもそも法律行為をするためには、意思能力(法律行為をするため、人が有効に意思表示をする能力)が必要となります。重い認

このブログ記事をシェアする:

家族信託制度の概要

 

皆さんは、「信託」という言葉についてどういう印象を持っていますか?
 「投資信託」という金融商品の種類から、資産の運用のためのもので元本割れのリスクがある等のイメージがもしかしたら強いかもしれません。

 
 『信託』とは、頼できる人に財産の管理・運用・処分をす制度です。したがって、お金を運用して増やしてもらう投資信託ばかりではなく、不動産、預貯金や株式等(信託財産)を信頼できる人(受託者)に預けて自分(委託者)の代わりに単に管理をしてもらうこともできます。そして、管理・運用等の結果により得られる利益を受け取る人(受益者)は、委託者でもいいですし、委託者以外の第三者とすることもできます。

 受託者として想定されるのは、財産管理や運用のプロである信託銀行等が考えられますが、家族になってもらうこともできます。
 家族に受託者となってもらい、家族に財産の管理・運用等をしてもらう信託のことを、特に『家族信託』といいます。

 家族に受託者になってもらうメリットとしては、
①受託者としての仕事に対して支払う報酬を無償又は信託銀行等に支払う報酬よりも安く抑えることができること
②信託銀行であれば、委託者の要望に対応できる商品があるとは限りませんが、親族や知人に受託者になってもらう場合は、契約により委託者の要望に沿ってオーダーメイドした信託の制度設計をすることができること
等があります。
 なお、受託者を営業(仕事)としてするには、内閣総理大臣の免許が必要となりますので、注意が必要です。

 家族信託の具体的な活用事例については、次回以降に説明します。

熊本市東区 司法書士法人エントラスト 家族信託のページ
※信託のメリット・デメリットを記載しています。

司法書士/AFP  廣濱 翔

 皆さんは、「信託」という言葉についてどういう印象を持っていますか?「投資信託」という金融商品の種類から、資産の運用のためのもので元本割れのリスクがある等のイメージがもしかしたら強いかもしれません。『信託』とは、信頼できる人に財産の管理・運

このブログ記事をシェアする:

不動産をあげる(贈与)際の税金

 大切な不動産を誰かに譲る(贈与)場合、税金に注意する必要があります。

例えば、親から子へ等、個人から個人へ不動産の贈与をする際にかかる税金を下記のとおり一覧にしてみました。

【不動産の贈与に関する税金一覧】

印紙税

(不動産の贈与契約書に課税)

1通200円

登録免許税(所有権移転登記)

固定資産評価額×2%

不動産取得税

土地 固定資産評価額×1/2×3%

建物 固定資産評価額×3%

※但し、住宅用家屋及びその敷地の場合、軽減措置あり。

贈与税

土地 路線価又は倍率方式を基に計算

 

建物 固定資産評価額を基に計算


 贈与税は、1月1日~12月31日の1年で、ある人が財産の贈与を受けた合計額に課税され、原則として、以下の計算方法で計算されます。


贈与税 (1年間に贈与を受けた金額-基礎控除額110万円)×税率-控除額


※贈与税の課税方法としては他に相続時精算課税制度がある。

※贈与する財産の価額が高くなるにつれて税率が高くなる。

税金の詳細な計算方法は、税理士又は税務署にお問い合わせください。

国税庁 贈与税 タックスアンサー

 不動産を贈与する場合には、様々な税金がかかりますが、自分の意志で確実に不動産をあげることができます。
 熊本市東区の司法書士法人エントラストでは、税理士とも連携していますので、贈与税・相続税の試算をした上で、贈与や遺言書作成の手続きができます。
 手続きでご不明な点等がありましたら、お気兼ねなくご相談ください。

司法書士/AFP 廣濱 翔

生前贈与

大切な不動産を誰かに譲る(贈与)場合、税金に注意する必要があります。例えば、親から子へ等、個人から個人へ不動産の贈与をする際にかかる税金を下記のとおり一覧にしてみました。【不動産の贈与に関する税金一覧】印紙税(不動産の贈与契約書に課税)1通

このブログ記事をシェアする: