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遺言の方式の種類(自筆証書遺言と公正証書遺言)

 

遺言を書いている人

 今回は、遺言の方式の種類について書きます。

 

 まず、「遺言」とは、自分の死後の遺産の分配方法を決めることができるものです(他にも遺言の効用はありますが、今回は割愛します)。

 

 遺言といえば自分の死後に関することであるため、なかなか書く気になりませんが、一般の家庭においても、相続発生後に遺産の分配を巡って思いがけない紛争に発展することがあります。相続に関する紛争を未然に防止し、かつ、遺言者の意思を実現するためにも遺言を作成することをお勧めします。

 遺言は一度作成すると書き直しができないというものでもなく、親族関係、心境や財産の変化に応じて、遺言を作成し直すこともできますので、将来のことが分からなくてもまずは現時点の状況で書いてみてください。

 

 

 遺言の方式には主なものとして、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。
他に「秘密証書遺言」がありますが、利用件数が少ないため今回は説明を省きます。

 以下の表は、比較したものですので、遺言を作成する際の参考にされてください。
※赤字部分は短所となります。

 

 

自筆証書遺言

公正証書遺言

概要

遺言者が全文、日付及び氏名を自書し、押印して作成。

※他人に書いてもらったり、ワープロ、ビデオ等による作成は無効。

証人2名以上の立会いの下、遺言者の遺言内容を確認した公証人が作成する遺言に遺言者、証人及び公証人が署名・押印をして作成。

保管場所

自身で保管。破棄、偽造や変造の恐れあり。

原本は公証人役場で保管。破棄、偽造や変造の恐れなし。

証人

不要。

→遺言の存在と内容を秘密にできる。

2名必要。

推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族(両親、子ども)等は、証人になれない

家庭裁判所の検認手続き

必要。

不要。

→直ちに遺言内容の実現が可能。

費用

不要。

必要(相続財産の時価や財産をもらう人の数による)。

方式の不備

方式が厳格に決まっているため、方式不備により無効となる危険性あり。

公証人が関与するため、方式不備の心配なし。

その他

いつでもどこででも作成可能。

加除訂正方法も厳格に定められている。

 病気等のため公証人役場にいけない場合は公証人が出張して作成可(出張手数料加算)。

 口が聞けない人や耳が聞こえない人は筆談や手話通訳を介して公証人に意思が伝えられれば作成可。

 

 

 遺言の作成方法がよく分からない等、遺言についてご不明な点がありましたらお問い合わせ又はご相談ください。

 また、公正証書遺言作成のため証人をお願いする人がいない、遺言を実現するための遺言執行者をお願いする人がいない場合は、司法書士に証人や遺言執行者を依頼することもできます。

 

 

司法書士・AFP 廣濱翔

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