司法書士のお仕事~個人のお客様編②~
「司法書士って何してるの?」っていうご質問に対する回答の続きです。今回も、縁さん(仮名)の人生に沿って、司法書士がどんなお仕事をしているかご紹介します(^-^ )
※前回の記事は司法書士のお仕事~個人のお客様編①~です。
3 債務整理手続き
縁さんがある日、実家に帰ると、父親宛にサラ金業者から借金の一括払いを請求する督促状が届いていました。父親に借金について問い詰めると、8年前に自営業をしていたときに事業が行き詰ってやむなく借りたもので、事業の廃止や引越しが重なり6年前から返済をしておらず、最近になって督促が来たとのことでした。縁さんの父親はサラ金業者に借金を一括して支払わなければならないのでしょうか?
6年前から返済をしていないということですので、まず第一に『消滅時効の援用』ができないかを検討する必要があります。「消滅時効」とは、権利を一定期間行使しない場合はその権利を消滅させるという法制度です。サラ金業者からの借金であれば、最終の取引日から5年間、返済をしたり、サラ金業者からの裁判手続き等一定の事由がなければ、『消滅時効の援用』が認められます。
司法書士の代理権の範囲内であれば、司法書士が代理人としてサラ金業者に『消滅時効の援用』を行います。後日の証拠のために、配達証明付の内容証明郵便で消滅時効を援用するのが一般的です。
もし、消滅時効の要件に当てはまらない場合は、分割返済の交渉を行う『任意整理』や、借金の返済を免除してもらう『自己破産』等、借金を整理する手続きを行います。
4 住宅ローン完済に伴う抵当権抹消手続き
縁さんは、30年で組んだ住宅ローンを完済しました。数週間後、住宅ローンを組んでいた銀行から「住宅ローン完済のお知らせ」と「抵当権抹消書類一式」が郵送されてきました。何か縁さんは手続きをする必要があるのでしょうか?
住宅ローンの長い支払いが終わり、ほっとされたことでしょう。しかし、やるべきことがまだあります。それは、住宅ローンを完済しても、住宅を購入した際に設定した抵当権が自動では消えませんので、ご自宅の不動産を管轄する法務局で『抵当権抹消登記』手続きを行う必要があります。
もし、抵当権を設定したときの住所・氏名から、現在の住所・氏名が変更になっている場合は、『所有権登記名義人表示変更登記』という手続きもあわせて必要になります。
司法書士にご依頼いただければ、司法書士が代行して法務局に登記手続きを行います。
抵当権の抹消登記が完了すると、登記簿の抵当権設定の欄の記載について、下線が引かれます。この下線は抹消された事項であることを意味します。
少しは司法書士のイメージがついたでしょうか。次回に続きます。
司法書士 廣濱 翔
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